
第二回・サドルのすり減った自転車
インドにスタディツアーで行った時、彼らが住む家にいくつか訪ねた事があります。ひとつは、ウシの糞で出来た壁と床の家でした。
もちろん、もう糞は乾いていますし、汚くなんかありません。
でも、私はその家に裸足で伺うのを少しためらってしまいました。
とても質素な家で、電化製品などありませんし、ふかふかのソファもありません。
ほとんど、何も無い家でした。
インドには家が無いひとも沢山います。
でも、貧しい人々の普通の暮らしのほうが、私達の物に囲まれた生活との比較対象として、貧しさを実感しました。
そういう人たちに触れると、ある人は、私達が忘れていた何かを大切にしているとか御為ごかしを言う人がいますが、私は私達の生活の身勝手さを感じずにはいられません。
彼らだって、現代に生きる人間ですから、テレビくらい見られたほうがいいでしょう。その前に電気くらい通っていたほうがいいし、チョコレートやケーキを売っている店があって、かわいい下着とバッグとサンダルの店に行きたいはずです。
個室の清潔なシャワーとバスタブが無い家にずっと住めと言われたら、私だったら持って1ヶ月が限界だろうと思います。
先進国に住む私達が、持っていない人と分かち合えば、彼らはもっと幸せを感じる事が出来るでしょう。
町中では、サドルがすり減ってペラペラになった自転車に、颯爽と乗っている人を見かけました。
そんなに自転車を大切にする人が日本に一体どのくらいいるでしょうか?
かく言う私も、自転車を何台も盗まれましたが、またか、という感じで、特にショックでもありませんでした。
もし、私達が捨てている自転車を、彼らにあげたら、彼らはどんなに移動するのが楽になるでしょうか?
考え出したらきりがありませんが、そんな事をとりとめもなく考えたリします。



