
中国のSさん
私は中国の大きな工場の仕事もしています。
その工場はGAPとかラルフ・ローレン、アディダスなど大手アパレルの生産もしているのですが・・・。日本に支社がありまして、今、日本のお客様の対応は日本人の営業が担当しています。
以前は中国の人(Sさん)が担当者で、その人の話なんですけど、
その前に、四川の地震の時の日本の救助隊が中国の人から評価されてましたよね。亡くなった方に対して黙祷を捧げた写真が話題になりました。悲惨な出来事ですが、日中間の関係が向上する事はとても素晴らしいと思います。
そのニュースを見てSさんの事をふと、思い出したんですね。Sさんも、日本のお客様からとても高い評価を受けていました。(救助隊と逆ですね。)
打ち合せのために来日して、その度にお客様ひとりひとりに電話して、「お元気ですか?今日来ましたからお食事でも如何ですか?」などの挨拶も欠かさなかったし、作ったサンプルもとても丁寧に扱って、プレゼンなども日本語で一生懸命やっていました。
日本語は難しいのと、打ち合せは専門用語だらけで聞き取るのもとても大変だと思うのですが、真剣に聞いて、たまに間違いなどありましたけどお客様も外国人だから、と大めに見て頂いていました。取引先に行くと大変な人気者で、みんなが「Sさん、Sさん」と彼に声を掛けていました。一生懸命日本人に合わせてサービスする彼の姿に、お客様は心を打たれたようでした。
その後彼は事情があって退社したのですが、その後一年近く経った今も、「Sさんどうしてるの?あの人良かったよねえ」と聞かれます。アパレルの仕事は人の入れ替わりも激しいですし、一年後も噂になるなんて凄いなあ、と思います。日本人の担当に変わって細かいミスなどとても減ったと思うのに、 Sさんの人柄の良さは余程印象深かったと見えます。
仕事がやりやすいよりも人柄を重視してくださる取引先の方々に感謝したいと思いますが、そうやって国境を超えて小さな友情はそこここで芽生えて花を咲かせているのかも、と思いました。そして、日本人の誰よりもジェントルマンだったSさんに私もとても心を打たれ、そつなくやれればいいと思っていた仕事に対する姿勢を見直すきっかけにもなりました。
(写真は、庭に咲いたとても可憐なイチゴの花。毎日小さな赤いイチゴが実を結びます。)



